Crazy Love
高鳴る心臓が、あの頃のように芹への気持ちを叫ぶ。

「愛してる」

体をゆっくり離すと、芹はじっと俺の顔を潤んだ目で見つめ、俺の頬を震える指先でそっとなぞる。

「どうしたの?」

頬に置かれた彼女の手を優しく握り、尋ねると

「信じられなくて……」

と、小さな声で彼女は呟いた。

その一言に込められた芹の様々な想いに再び目頭が熱くなった。彼女を強く抱き締める。

「ちゃんといるよ。ずっと。あなたの傍に」

俺たちはお互いの存在を確かめる様に、今までの3年半を少しずつ埋めるように小さなキスを繰り返す。

何度も。

何度も……


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