さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

***


・・ここは、どこかしら。



暗くて、何も見えない。

レイラは、自分が目を開けているのかどうか自信がなくなり、

夢を見ているのかと思った。

体中がしびれているが、床の硬く冷たい感触に触れる。



・・夢じゃない。



まだ夜が明けないうちに目が覚めてしまったのだろうか。

目を凝らしてじっと辺りをうかがっていると、

だんだんと目が慣れてきた。


何本もの板が同じ間隔で格子状に並べられている。

その隙間はせいぜい腕が一本通るくらいの狭さで、

まるで牢獄のようだ、とレイラは思った。


実際に見たことはないが、隣の家に住む

--と言っても馬で半日ほど走らなくては会えないほどの距離にあるのだが--

年上の男の子が教えてくれたことがある。


悪い事をした人は捕らえられ、そこで罰を受けるのだと。


「いたっ!」


寝返りをうとうと体を揺らすと、自分の両腕に体重がのって、

みしみしと音をたててきしんだ。



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