さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
レイラは、全身が身震いした。
その時、数人の足音ともに、急に明るい光が目に飛び込んで、レイラは目を眇めた。
「どこにいる?」
「は、こちらです」
聞いたことのない声だ、とレイラは思った。
少なくとも、父たちのものではない。
考えている間に、その声の主が自分のいる牢屋の前に姿を見せた。
「お前がレイラか」
まぶしくて見えないが、しゃがれた声は、父と同じかそれより年上のもののようだ。
「お姉ちゃんはどこ?」
レイラは、精一杯の勇気を振り絞り、言葉にした。
そのとたん、
「貴様、質問に答えんか!」
さっきとは違う、若い声が威嚇する。
どうやら複数の人間がいるらしい。
怒鳴りつけられて、レイラは縮み上がった。