さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
必要以上の事を口にせず、それよりも、とサジが顔を近づけた。
普段でも力のあるサジの蒼い瞳が、よりいっそう鮮烈にレイラの心に刻まれる。
恥ずかしくて顔を背けたかったが、その深い神秘の力に吸い寄せられるように、
サジの瞳を見つめ返してしまった。
心臓の音が大きく鳴り響く。
と、サジが低く呟いた。
「昼間来たろう。何かあったのか?」
「え!?」
「用事があったんじゃないのか?」
・・サジといると、どうしてこんなに泣きたい気分になるんだろう。
近頃は初めての経験が多すぎて、感情を処理しきれないのかもしれない。
レイラは、大きく深呼吸した。
「えっとね、
実は・・・私が偽者だってソリャン様にばれちゃったの」