さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「ばれた!?なぜだ」
険しくなったサジの眉間に怒りを感じる。
レイラは上半身を起こすと、寝台に腰掛けた。
「ごめんなさい。
私、うっかりしてソリャン様に、自分の髪は母譲りだと言ってしまったの。
でも、本物のレイラ様のお母さんは、髪の毛が金髪らしくて」
上目づかいにサジを見ると、腕組みをして視線を床に落とす。
「それで、やつはなんといった?」
“やつ”という呼び方に何かひっかかりを感じたが、
レイラはそのまま答えた。
「皆を助けてくれるって」
「私たちのことは?なんと言った?」
「何も聞かれなかったわ。
だから、ソリャン様は皆をジマールの私兵だと思っているはずだけど」