さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
厳しいカマラの指摘に苦笑しながら、ユーリは鼻の頭をかいた。
「カマラって、すごく強いんだな」
「え?」
「なんていうかさ。
俺、今まで会った女って、皆、着飾ることに必死な感じで正直苦手だったんだけど。
カマラはそうじゃないっていうか」
適当な単語が見当たらなくて、ユーリは言葉を濁した。
強い、という表現も、若干意味合いがずれている気もする。
「それ、どういう意味?」
案の定、カマラはユーリの言葉尻を捕らえる。
「え、どういうって」
さっきまでとはまた違う、カマラのとげとげしい視線が痛い。
「私が、女として欠けているって言いたいの?」
「え、ち、違うよ!」