さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

厳しいカマラの指摘に苦笑しながら、ユーリは鼻の頭をかいた。


「カマラって、すごく強いんだな」


「え?」


「なんていうかさ。

俺、今まで会った女って、皆、着飾ることに必死な感じで正直苦手だったんだけど。

カマラはそうじゃないっていうか」


適当な単語が見当たらなくて、ユーリは言葉を濁した。

強い、という表現も、若干意味合いがずれている気もする。


「それ、どういう意味?」


案の定、カマラはユーリの言葉尻を捕らえる。


「え、どういうって」


さっきまでとはまた違う、カマラのとげとげしい視線が痛い。


「私が、女として欠けているって言いたいの?」


「え、ち、違うよ!」


< 156 / 366 >

この作品をシェア

pagetop