さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
さて、自分でも良く分からない感情を、なんと表現したらよいのか。
「女らしくない、でもないし。色気がない、でもないし。
男らしい・・・もちょっと違うなぁ。う~ん」
ぶつぶつと呟く独り言のようだが、もちろんカマラの耳には全て届いている。
いいかげんにしろ、とカマラが叫びかけた時、
ユーリが顔を上げて手を打った。
晴れ晴れとした笑顔だ。
「そうだ!
たくましい!そう。たくましくて、格好いい!」
カマラのこめかみが、ぴくりとうごめく。
「確かに私は・・・。
男のように日に焼けて、馬と剣が得意で料理は苦手よ。
父にも嫁の貰い手がないって、いつも嘆かれてるわ。
でも、そんなこと、大きなお世話だわ!」
大きな声に驚いた馬が、落ち着きをなくし足踏みをする。