さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「そうかな。
まぁ、父ももう歳だから、面構えが変わることもあるだろう。
性格も年々頑固になって、人を信じなくなってきたしね」
ソリャンは木々の間を透かし見るように、遠くを眺める。
カサリ、と草を踏みしめる音がなった。
歩き出したソリャンに構わず、
仮面のように整った顔のまま、サジは言葉を続ける。
「そういえば、周りでお世話をしている方も多く入れ替わっていらっしゃるようですね。
10年以上お仕えした方がほとんどいらっしゃらないとか」
「父は人間嫌いなんだ。
妹が誘拐されたのが原因で、次々に人を入れ替えてね」
「そうでしたか。その方々は、今はどこに?」
「さて、気に入らなくて首をはねた者もいれば、城から追放された者もいるが」
そこで初めて言葉を切り、ソリャンは細い目をしてサジを振り返った。
「今回のことと、それが、何か関係があるのかい?」