さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
ソリャンの視線を受け流し、恭しく首をたれると
サジの背にかかった髪が、さらりと肩を撫でた。
「いえ、申し訳ございません。ただの好奇心です」
「そうか。だが、過ぎた好奇心は身を滅ぼす。
私は構わないが、父の前ではそういった無礼な態度は慎むべきだな」
「はい。失礼いたしました」
ソリャンが去る足音にあわせて、護衛の兵士たちが移動を始める。
サジは面を伏せたまま、視線を上げた。
その瞳は、細く鋭い針のように尖っていて無機質なものだ。
人の密度が半分になったところで、レイラがサジの背に寄ってきた。
「本当に誰だか知っているの?」
たっぷりの間を取ってから、サジは振り返った。
「レイラ様。お食事がまだおすみでないようですね。
どうぞお召し上がりください」