さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

ソリャンの視線を受け流し、恭しく首をたれると

サジの背にかかった髪が、さらりと肩を撫でた。


「いえ、申し訳ございません。ただの好奇心です」


「そうか。だが、過ぎた好奇心は身を滅ぼす。

私は構わないが、父の前ではそういった無礼な態度は慎むべきだな」


「はい。失礼いたしました」


ソリャンが去る足音にあわせて、護衛の兵士たちが移動を始める。


サジは面を伏せたまま、視線を上げた。

その瞳は、細く鋭い針のように尖っていて無機質なものだ。


人の密度が半分になったところで、レイラがサジの背に寄ってきた。


「本当に誰だか知っているの?」


たっぷりの間を取ってから、サジは振り返った。


「レイラ様。お食事がまだおすみでないようですね。

どうぞお召し上がりください」






< 192 / 366 >

この作品をシェア

pagetop