さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
数日前よりも月が太っている、とレイラは窓の外を見て思った。
部屋の明かりは四隅以外にも中央の机の上や寝台の脇などにいくつも灯されていて、
文字を書くにも不自由はない。
暗いのが怖いと訴えた結果、充分すぎるほどの明かりが与えられ、
そしてそれと同じくらい増えたものが--。
・・護衛の人たち。
守ってくれるのは嬉しいけど、まさか寝る時までいるわけじゃないよね?
それまで扉の外に交代で2名ずついたのが、
今は侍女とともに部屋の隅に仁王立ちになっている。
ソリャンの妻の一人として、それなりの大きさの部屋を与えられていたが、
それでも自分がすっぽり隠れられそうなほどの巨躯が4人も同じ空間にいたのでは、
なんともむさくるしく圧迫感がある。
・・これじゃあ、私をねらっている人だけじゃなくて、
サジもこっそり部屋に入ってくるのは無理だわ。
落とすつもりのないため息がこぼれて、霧散した。
その時。