さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
・・この辺りのはずなのに。
ぐるぐると同じところを回っているような感覚で、もはや自分の居場所がわからない。
レイラは、サジから聞いた地下室に通じるという扉を見つけられずにいた。
手燭のろうは新しいものに取り替えたばかりで、余裕はあるが予備はない。
レイラは額に浮かんだ汗を拭いながら、壁によりかかった。
背中が突起のようなものに触れる。
ひょっとして、と期待を胸に明かりを向けるが、
それは扉ではなかった。
・・これは私の部屋にあった階段だわ。ひょっとして、戻ってきてしまったのかしら。
レイラは落胆して一気に膝から力が抜けた。
慣れない状況からくる緊張が、想像以上に重くのしかかっているらしい。
まだどれほどの時も流れていないはずなのに、
一晩中彷徨い続けたように感じられる。
・・どうしよう。