さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
膝を抱えて座り込む。
・・どうしてこんなことになっちゃったのかな。
鼻の奥がつんとしてきたので、あわてて気を取り直した。
『どうしてだろうな』
ふいに、サジのぬくもりを思い出す。
壊れ物を庇うように、ふんわりと抱きしめられた。
それが余計に切なくて、さらに激しく嗚咽が漏れてしまう。
サジの腕の中は、安心できて心地よくて、
このまま時が止まればいいのにと思わずにはいられなかった。
レイラはサジの腕にしがみついた。
頭の後ろに回されたサジの大きな掌がレイラの長い髪を梳いていく。
・・あそこが私の帰る場所なら良かったのに。
そのどこよりも安全に思える腕の中で、
レイラは城から逃げ出すことを決心したのだった。