さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

ハスナとジウチは顔を見合わせる。


「どうする?ハスナ」


「どうすると言われても」


ハスナは口ごもった。


あのサジという男が、レイラの暗殺を阻止した時、

おそらく秘密の通路を使ったのだろうとカマラは思っていた。


だが、それを実際に見たわけではない。

自分でも信じられなかったが、サジの気配が全く読めなかったのだ。


サジは王の居室以外の城中を、顔を見た暗殺者を探して走り回っているという。

そこで、この仕掛けを考えた。


探索が徒労に終われば、サジは再び通路を使い、

探す許可の下りなかった王の居室周辺に、必ず侵入するに違いない。


王の寝台の下にある隠し扉に糸を吊るし、それが開かれると、

隣の部屋の明かりが落ちるようにしておいたのだ。


こんなに早く来るとは予想外だったが、

明かりの消えた部屋で、ジウチと二人、にやりと笑みを交わしたのだった。

< 237 / 366 >

この作品をシェア

pagetop