さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
ハスナとジウチは顔を見合わせる。
「どうする?ハスナ」
「どうすると言われても」
ハスナは口ごもった。
あのサジという男が、レイラの暗殺を阻止した時、
おそらく秘密の通路を使ったのだろうとカマラは思っていた。
だが、それを実際に見たわけではない。
自分でも信じられなかったが、サジの気配が全く読めなかったのだ。
サジは王の居室以外の城中を、顔を見た暗殺者を探して走り回っているという。
そこで、この仕掛けを考えた。
探索が徒労に終われば、サジは再び通路を使い、
探す許可の下りなかった王の居室周辺に、必ず侵入するに違いない。
王の寝台の下にある隠し扉に糸を吊るし、それが開かれると、
隣の部屋の明かりが落ちるようにしておいたのだ。
こんなに早く来るとは予想外だったが、
明かりの消えた部屋で、ジウチと二人、にやりと笑みを交わしたのだった。