さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
レイラはすばやく部屋を見回す。
対角線上にある、もう一つの扉を目にすると、体当たりをかました。
どこへ出るかはわからない。
それでも、やるしかなかった。
そこはさっきの部屋と違い、最低限の明かりが灯されていた。
大きな机からみると食事のための部屋なのだろうか。
レイラは手に届くものを手当たり次第に引き倒し、
目にする扉を開けては閉め、いくつかの部屋を通過した後、
とうとう廊下へ飛び出した。
待ちなさい、というハスナの金切り声が追いかけてくる。
大きな音をたてて内側から乱暴に開いた扉と、
そこから転がり出た薄汚れた少女の姿に、見張りの兵士が目をむく。
・・兵士ではだめだわ。あぁ、誰か助けて!
ごうごうと耳鳴りがする。すぐ後ろから足音が迫ってくる感じがした。
広すぎる廊下を持てる力を使って駆け抜けながら、
レイラは石柱の角を右へと折れた。
目にしたものを見て、自分の祈りが通じたのだと思った。
「助けて!ソリャン様!!」