さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
肘掛についていた肘がはずれ、その拍子に侍女はがくんと頭を振った。
居眠りから目覚め、はっと寝台に目をやる。
特に何も変わったことはないと、再び肘掛に肘を置く。
そのとたん、低い声に襲われた。
「おい、レイラはどこだ」
ひっ、と引きつり、声を上げようとすると、口をふさがれた。
恐怖に震えながら、侍女は寝台を指差した。
ユーリは、サジを見ると首を振った。
寝台の上はさっき確かめた。そこには誰もいなかったはずだ。
「どういうことだ?」
ユーリの問いには答えず、サジは薄暗い室内を見渡した。
いつもと変わった様子はない。
「おい!もしやさらわれたんじゃ」
ユーリの言葉を、サジは手を挙げてさえぎった。