さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「よろしいのですか?この女を縛っておかなくて。助けを呼ぶかも」
ナリは、先に寝台の下へ潜り込んだサジにしゃがみこんで確認したが、
かまわない、という返事がしたので、後を追って床を這った。
床下に下りると、かびと埃の臭いが鼻を突く。
「連れ戻す?逃がすのではなく?」
先に下りたユーリが、サジに念を押している。
「この建物から外へ出られても、堀を越えるのは無理だ」
「そうでもないよ」
「なぜだ?」
「堀の下を通って、街外れへ続く地下道があるから」
ユーリは自分の手柄を見せびらかすように、得意満面に笑う。
だが、サジは驚く風でもなく、じっとユーリを見つめた。
「レイラの父が、王女を誘拐したとしゃべったのか」