さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
二人が城外へと駈け出したころ、離宮の庭先では、
やはり二人の男女が、一見すると逢瀬を楽しむかのように声を落として話していた。
「ちゃんと背中を押したんでしょうね?」
「心配ないよ。今頃サジがレイラに会いにいっているはずだから」
・・挨拶して来いって言っただけだから、どうなってるかは知らないけどね。
結婚だけは、サジに勝つつもりだし。
ユーリは腹の中でぺろりと舌を出し、
それから真剣な顔つきになった。
自分の勝負はこれからなのだ。
ならいいわ、とカマラはにっこり笑った。
とたんに、ユーリは緊張で全身がこわばる。
「あ、あの、ところでさ。俺も話があるんだけど」
「何?」
「いや、実はその」
もごもごと口ごもる。
言うべき台詞は細かい点まで吟味して、きちんと練習済みだったのだが。