さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「用がないなら行くわよ。レイラの様子が心配だから、こっそりのぞきに行かないと」
つれなく背を向けるカマラに、ユーリはあわてて大声を出した。
「わわっ。待って!」
「何?」
ウホン、となるべく威厳があるように咳払いをする。
カマラは左右の眉をばらばらに上げた。
前から少し抜けていると思っていたが、やっぱり真正の変人だったらしい。
ときどきすごい男なのではないかと感じることもあったのだが、
あれは何かの間違いだったのだろう。
「あのさ、まず先にあやまっておこうと思ってさ。
俺たち、レガ国の騎士だっていってたけど、あれちょっと違うんだ」
カマラの顔が、さっと色を変える。
「なんですってっ?!
あなたまさか、ただのごろつきだって言うんじゃないでしょうね!
ひょっとして、サジさんもそうなの?
大変だわ。レイラのところへ行かなきゃ!」