さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
踵を返すカマラの二の腕を、ユーリはあわててつかんだ。
「いや、その・・・。
そうじゃなくて、なんていうか、その俺ってさ」
その続きを口にすると、
人々は決まってある種の同じ態度をとった。
あるものは畏怖しひざまずき、あるものは嬉々として媚を売る。
とくに女は後者が圧倒的だった。
・・大丈夫。カマラはそういう種類の女じゃない。
一泊の間をおいて、言葉にした。
「実はレガ国の王子なんだ」
期待と不安の入り混じった顔で、ユーリはカマラを見つめた。
彼女がどんな態度を返すのか、一向に読めなかった。
お願いだから、媚びた目で自分にすり寄るのだけはやめてほしい。
祈りながら返事を待つユーリに、カマラは白い目を向けて
一言で切り捨てた。
「あなた、それで笑いを取ろうとしてんの?」