さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「ちょ、っと待って!
じゃあ、あのとき“わかった”って言ったのは・・・」
『結婚してください』
『わかった』
・・まさかでしょ?!
どうやったらそんな解釈になるのか。
あるいは、自分が軽率だったのだろうか。
もはや、喜べばいいやら、悲しめばいいやら。
レイラは、恥ずかしくて穴に埋まりたいと心から願った。
「おめでとう、レイラ」
ミゲルが目じりを下げて祝福を贈る。
穏やかな朝のような、切ない夕べのような。
こんな風に複雑な顔で喜びを表した父を初めて見た。
「お父さん」
父の言葉に、羞恥以外の感情が湧いてくる。
「幸せになりなさい」
レイラは胸が詰まった。
こくリとうなずくと、一滴の涙がぽろりとこぼれおちた--。