さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
そうしてサジは、レイラの女心を全く解さぬ的外れな返事をした。
「私がリア国にいれば、外交上もいろいろと便利だから、
カイル王もユーリも反対したりしない。
心配しなくても、私はレイラとともにリア国に行くつもりだ」
軍事の最高位につくことになっていたことも、
複数の他国の王女と結婚の話が持ち上がっていたことも、サジは告げなかった。
聞かれなかったからではなく、
カイルの助言に従い“レイラの気持ちを推し量って”。
「レイラ?」
なぜかうなだれるレイラの顎に、指をひっかけるようにして上向かせると、
今にも泣き出しそうな顔と視線が重なる。
「どうした?私が泣かせているのか?」
喜ぶと思ったレイラの瞳が曇ったことに、サジは狼狽した。
体験のないその動揺が、サジを余計に混乱させる。