さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「あ、隊長!ホックです!」
リュートがほっとしたように明るい声を出す。
出口には、粗末な荷馬車が準備してあった。
地上に出ると、ちぎれた雲のように真っ白い塊が、
まるで天からの贈り物のように舞い踊っている。
・・これだけ降っていれば、足跡を追うこともできまい。
朝まで降り積もれば、その輝くばかりの白が、
すべてを覆い尽くすだろう。
・・私の、罪以外は。
この清浄な雪であっても、自分の裏切りを消すことはできない。
それでも、子供に罪があるはずもなかった。
・・どうか、この赤子をお守りください。
ミゲルは雪に祈りを込めると、静かに目を閉じた--。