さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「お前、ジマールの娘ではないのか?」
銀髪の男が問い詰める。
涙のあふれるレイラの瞳の奥まで覗き込みそうな勢いで、
顔を近づけられた。
「え?」
レイラははっとした。
男の質問の意味を噛み締める。
『ジマールの娘ではないのか』
・・うそ?!この人たち、私が本物のレイラ姫だと思ってる?
あの隊長が、事情を知らない人間だけを置いてどこかへ去るなど、ありえない。
護衛役ではなく、監視役としてついてきているはずなのだから。
「あなたたち、誰?隊長はどこへ行ったの?」