さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

夕飯は、喉を通らなかった。

無理やり口に入れたスープも、二人の男に見られながらでは、

味覚が麻痺してまるでおいしくない。



・・ユーリさんはまだ平気だけど。



レイラは、椀に口をつけて飲むふりをしながら、

自分の斜め前に座っている男の銀髪にちらりと目を向ける。


見事な銀の髪。

美しい弧を描く眉。



・・綺麗だけど、サジさんはなんか苦手だな。



「なんだ」


視線が交差して、じろりと睨まれる。


「な、なんでもない・・・きゃあ!」


慌てて椀を机に置こうとして、肘を引っ掛けてしまった。

せっかく着替えた衣に染みが広がる。

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