さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~

「苦手、ね。そういえば、あのなんとかっていう女はどうした。

しつこくお前に言い寄ってきてただろう。城中逃げ回っていたと聞いたぞ」


「う、うるさい!俺は、理想が高いんだ。

女は、こう、はにかんで微笑むようなおしとやかで可憐な女がいいんだ」


握りこぶしを作って力説するユーリに対し、


「そんな希少価値のある動物がいるなら、ぜひ私に紹介してくれ」


無表情のまま、言い放つサジ。


言葉の言い争いで勝ったためしはない。

というより、剣でも泳ぎでもサジに勝負を挑んで勝ったためしはないのだが。


ユーリはチッと舌打ちをした。


そんなことより、と真面目な顔をしてユーリはサジに詰め寄った。

声を潜めて耳打ちする。


「どうするんだ?」


< 47 / 366 >

この作品をシェア

pagetop