さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
『俺たちは、ジマールに敵対している者なんだ。
ま、正確に言うと、ジマールにじゃなく、リア国のジウチ王にだけどね』
昨夜、彼ら二人に脅されたりなだめすかされたりして、
結局すべてをばか正直に話してしまった。
それは、ユーリのまっすぐな瞳とよどみのない言葉を信じたから。
ジマールの兵士たちは、すべてユーリたちが襲って入れ替わったという話も、
矛盾なく納得のいく説明だった。
捕らえた兵士たちは、別の場所に監禁しているのだという。
だとしたら、ユーリたちの手勢はかなりの大人数だ。
『俺たちの目的は、リア国の内情調査なんだ。
だから、どうしても城の中に怪しまれずに潜入したくて、
君の隊列を襲ったってわけだ。
もっとも襲ってみたら、レイラ姫が偽者だったわけだけどね』
道理で護衛の連中がたいしたことないわけだ、と言ってユーリは笑った。