さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「足の怪我の具合はどうだ?」
思いもよらぬサジの問いかけに、レイラははっとした。
いつの間にか自分の足元にかがんだサジが、上を向いて自分の方に視線を投げている。
「ちょっと見せてみろ」
「え?わっ!」
是と答える前に、抱きかかえられ座らされた。
踏みつけた草の匂いが、鼻腔をくすぐる。
足首にサジの冷たい指が触れると、
レイラはなぜか急に恥ずかしくなって、真っ赤になった。
「あ、あの」
「まだ少し腫れているな。薬草を取り替えておこう。
あまり歩くな」
昨日石を踏んづけた時に、足をくじいてしまったレイラ。
その足首は昨日よりはましになったが、まだ赤く腫れていて熱を持っている。