さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
サジは淡々とした口調で答える。
「お前の隊を襲っただろう。
ここへ来るまでにも盗賊に襲われたり、いろいろあったしな」
盗賊。
レイラの体が強張る。
「どうした?」
急に二人の間に緊張感が壁を作り、サジはわずかに眉を寄せた。
「父や姉は、本当に盗賊なのでしょうか」
「私にはわからん。お前はどう思うんだ?」
レイラの桃色をした唇が、きゅっと結ばれる。
「皆、やさしくてそんな事をするとは思えません。
でも・・・」
つぶらな瞳がじんわりと潤む。
「数ヶ月に一度、私を置いて出かけていました。
その間、何をしていたのか知らないんです」