さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「きゃああ~!!」
自分の衣が裂け、白い太ももがあらわになっている。
しかも、膝を地面に着いたサジの腕の中に、横抱きにされるような格好。
まるで、男を誘惑する女のようだ。
「大丈夫ですか?」
一番近くにいた兵士が近寄って、レイラを気遣う。
悲鳴を聞きつけた兵士たちも、何事かと剣を抜きながら駆け寄ってきた。
「やだっ!来ないで」
恥ずかしくて、顔を見せられない。
レイラはサジの衣をぎゅっと握り、その胸に顔をうずめた。
「サジ様!」
サジよりも年上と思われるひげを生やした兵士が、血相を変えて飛んできた。
「なんでもない。彼女の足の怪我が思ったよりもひどいようだ。
彼女は私が連れて行く。お前たちはすぐに出立できるように準備していろ」