さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
「女性?あれは子どもなのだろう?
ユーリも彼女には平然と話しかけていた」
サジにはその境界がいまいちぴんと来なかったので、
ユーリの受け売りそのままを述べるが。
「何をおっしゃっているのです。
14歳といえば、充分女性ですよ。
その証拠に、恥ずかしがって扉を閉めたじゃないですか」
兵士は即座に否定した。
「だが、私がいても平気だったじゃないか」
「それは、そうですけど」
兵士は、ごにょごにょと語尾をごまかしたが、
一つの結論に達すると、明るい顔になった。
「あ、ひょっとしてサジ様を男と見ていなかったりするのでは。
ははは、いや、そんなこともあるのですねぇ」