さらわれ花嫁~愛と恋と陰謀に巻き込まれました~
名前は?というソリャンの問いに、
「サジと申します。
今日は私が、リア国王様に謁見をお許しいただいた記念の日。
むろん、ソリャン王子様に会うのも初めてでございます」
片膝をついて顔を上げ、サジは淡々と返答した。
「そうだよね。
そんなに印象深い髪だから、会えば覚えているだろうしな」
ソリャンは顎に手をやると、そうだよなぁ、と一人ごちた。
「それにしても、女性と見まがうほどに美しい兵士が君の傍にいるなんて、
僕はなんだかやきもちを焼いてしまいそうだよ」
いまだ完全には不安の色が取れないレイラに、
ソリャンはにっこりと笑いかける。
「そ、そんなことは。
サジさ・・・サジは、私の護衛です。
とても強いですから」