HIGH-WEST
訳のわからないことを叫びながら切り掛かって来る馬に虎は攻めあぐねていた。どうやら相手は自分を当面の敵と認識したようだ。あまり戦闘力のない女子に向かって行かれるよりは(まだましや。しかしなあ…)向こうは正気を失っているから下手に刺激すると反って自分の身が危ないし、かといって仲間相手に刀を抜くのも気が引ける。ひゅっと虎の額の辺りを馬の剣が掠った。間一髪でその斬撃を交わした。が、前髪がはらはらと落ちる。(いい加減にしやがれ)再び襲ってきた斬撃を交わすと共に足払いを掛ける。見事に引っ掛かり体勢を崩した馬に彼は両手をがっちり組むと思い切り馬の急所に振り下ろした。
ボクッ………
…少々嫌な音がして馬はその場に倒れた。もちろんだが気絶している。
「まったく手間掛けさせやがってこのガキャア。」
(虎…人格変わってるよ…)誰もがそう思った。
「羊、戌と鶏は?」
兎の張ったシールド内に戻った羊に兎が聞いた。
「さっき医務室に送った。馬は?」
「そこに伸びてる。」
誰かが言う。
「ア、そう。じゃあ馬には早々にお引き取り願うとしよか」
また彼は陣を描くと無造作にその中に馬を放り込んだ。
ボクッ………
…少々嫌な音がして馬はその場に倒れた。もちろんだが気絶している。
「まったく手間掛けさせやがってこのガキャア。」
(虎…人格変わってるよ…)誰もがそう思った。
「羊、戌と鶏は?」
兎の張ったシールド内に戻った羊に兎が聞いた。
「さっき医務室に送った。馬は?」
「そこに伸びてる。」
誰かが言う。
「ア、そう。じゃあ馬には早々にお引き取り願うとしよか」
また彼は陣を描くと無造作にその中に馬を放り込んだ。