HIGH-WEST
「何やっとんねん。遅すぎる。」
ヘビが苛立った声を上げた。ニワトリがウマを追ってシールドの外出て行ってから30分が過ぎようとしていた。
苛立ちと不安が募っていく。
「あの二人を探しに行ってこよか。いくらなんでも遅すぎるやろ。」
と、トラが立ち上がった時、馬が帰って来た。血がべっとりとついた剣を提げて。
「ちょ…っ、大丈夫?!」
駆け寄ろうとしたハトの腕をサルが掴む。男子達の間に漲る緊張。ウマの目が尋常ではない光を放っていた。
「…っ!ヒツジ、乗れ!!」
獣化したイヌはヒツジを背中に乗せると走り去った。
「どないしたんや。」
「ニワトリがウマに斬られた。」
「は?!」
イヌの鋭敏な嗅覚はウマの剣に付いた血からニワトリの臭いを嗅ぎ取っていた。
「イヌ、あそこ!」
とヒツジが指差した方をイヌが見ると森のある一画に飛行性の魔物がたかっていた。
「あそこか。」
羊は手に持っていた杖を掲げると呪文を唱えた。大きな光の球が魔物の群れを直撃する。「今のうちや。」うんと頷くと戌は走る速度を上げた。そして戌と羊はぐったりと横たわる鶏を発見した。思わず息を呑む羊。
「ひでぇ…。」
鶏は右の脇腹から左肩にかけてばっさりと斬り上げられていた。彼女に既に意識はなく、一目で一刻を争う事態だということがわかる。羊は医務室へと直結する陣を描き、搬送の準備を整える。
「戌、お前が鶏に付き添って行け。」
鶏の傷の止血を行っていた戌はその声に頷くと鶏を抱えて陣の中に入った。陣の一画を羊が杖で突くと二人の姿は消えた。彼はもう一つ先程のものよりもいくらか小振りの陣を描き今度は自分が中に入って片隅を突いた。
ヘビが苛立った声を上げた。ニワトリがウマを追ってシールドの外出て行ってから30分が過ぎようとしていた。
苛立ちと不安が募っていく。
「あの二人を探しに行ってこよか。いくらなんでも遅すぎるやろ。」
と、トラが立ち上がった時、馬が帰って来た。血がべっとりとついた剣を提げて。
「ちょ…っ、大丈夫?!」
駆け寄ろうとしたハトの腕をサルが掴む。男子達の間に漲る緊張。ウマの目が尋常ではない光を放っていた。
「…っ!ヒツジ、乗れ!!」
獣化したイヌはヒツジを背中に乗せると走り去った。
「どないしたんや。」
「ニワトリがウマに斬られた。」
「は?!」
イヌの鋭敏な嗅覚はウマの剣に付いた血からニワトリの臭いを嗅ぎ取っていた。
「イヌ、あそこ!」
とヒツジが指差した方をイヌが見ると森のある一画に飛行性の魔物がたかっていた。
「あそこか。」
羊は手に持っていた杖を掲げると呪文を唱えた。大きな光の球が魔物の群れを直撃する。「今のうちや。」うんと頷くと戌は走る速度を上げた。そして戌と羊はぐったりと横たわる鶏を発見した。思わず息を呑む羊。
「ひでぇ…。」
鶏は右の脇腹から左肩にかけてばっさりと斬り上げられていた。彼女に既に意識はなく、一目で一刻を争う事態だということがわかる。羊は医務室へと直結する陣を描き、搬送の準備を整える。
「戌、お前が鶏に付き添って行け。」
鶏の傷の止血を行っていた戌はその声に頷くと鶏を抱えて陣の中に入った。陣の一画を羊が杖で突くと二人の姿は消えた。彼はもう一つ先程のものよりもいくらか小振りの陣を描き今度は自分が中に入って片隅を突いた。