HIGH-WEST

カンガルーの班はかなり強い。

カンガルー、ジャッカル、イタチ、ビーバーそれに女の子ながらリスも直接戦闘に参加できる。さらに遠距離攻撃を得意とするハムスターに回復呪文を唱えることのできるコアラもいる。主に護衛任務に携わっているが、救援要請をしたことはほとんどないのだ。


疾風谷は荒れ狂っていた。

「ニワトリ、飛べるか?」

「殺す気か」

イヌの問いに鶏は即答した。

「やれ」

「決定かい!」

「お前以外に誰があそこに行けるねん」

向こうの崖にぽっかりと空いた洞窟の入り口を指差しトラはニワトリのささやかな抵抗を一蹴した。

「わかりあした。やりまひょ。やりゃいいんでしょ」

そんな彼女の独り言を無視して蛇が指示を出す。

「ウサギはシールドを張って。ジュゴンはニワトリと一緒に洞窟に行け。念のためイヌも。トラと俺で魔物の襲来に待機。ヒツジは怪我人を搬送する用意を」

指示に従ってウサギがまずシールドを張る。

「んじゃまずジュゴン。行くで。イヌ、用意しといてな。」

そう言ってジュゴンの腰を後ろからしっかりと抱えるとニワトリは荒れ狂う風の中へ飛び込んだ。


< 6 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop