奪い合い
(つい、長居してしまった……)
邦華はポルタ-ガイストで服を持ち帰ろうとしながら思った。
「…ぃよッ!!」
邦華は服をすり抜けさせることに成功。
そのまま、自分の部屋の窓まで着いた。
(これって万引き?……いや、でも。
これからお金を持っていけば…)
そんなことを思いながら服に力を入れる。
「……あれ…?……フンッ!!」
なかなか服がすり抜けない。
「なんで……あ…ッ!?」
邦華は自分の部屋を見て絶句した。
自分の部屋…自分の体の周りには、たくさんの半透明の体が群がっていた。
「嘘ぉッ……なんで…なんで入れないの!?」
邦華は窓をドンドン叩く。