今日から天使
それは私が悪魔になることを意味している。
死を扱う死神が、天使の仕事に手を出すことは、絶対に禁止されている。
人を生かすことは、私たち死神には許されない作業。
今の思いのまま行動すれば、私もミカエルのように悪魔に成り下がるだろう。
そんなことを考えると、よほど怖い顔だったのか、彼女が『大丈夫?』と心配してくれた。
その顔を見て、私は決心した。
病室の時計に目をやると、あと3分しか残っていなかった。
私がやらなければ、他の死神がやって来るだけ。
その前に済ませなければ。
私は少女に目を瞑るように言った。
彼女は理由を聞いたが、時間がないのでとにかく続けた。
「君は僕とであった今日のことをすべて忘れる」
少女は驚いたように何か言いたそうだった。
「その代わり、目が覚めた時には病気は治っている」
「そして100歳まで生きられる」
私は彼女に、この8年の間に失った時間を取り戻すように伝えた。
私は指をならし言った。
「さあ、行こうか」