今日から天使
彼女との会話は楽しかった。
どんどんのめり込む自分に気づかないフリをした。
死者は神のもの。それを愛することは許されなかった。
話すうちに、彼女の生きることへの思いが伝わってきた。
10歳の頃からの闘病生活、学校にも行けなかった。
私はいつしか涙していた。
初めてのことだ。
どうしてもあの言葉が言えなかった。
12時10分前、タイムリミットはあと10分だ。
今日の仕事は今日中にしなければならない。
秩序が狂ってしまう。
でも、できなかった。したくなかった。
まだ一緒にいて話していたかった。
彼女もこの6時間で、私を気に入ってくれたようだった。
しかし、もう時間がない。
病室のベットに、テディベアを抱えて笑う少女。
私は彼女にもっと笑っていて欲しかった。
もっと明るい世界を生きて欲しかった。
学校に行って、普通の学生として、青春して欲しかった。
私にはその力がある。
私が恐れなければ、彼女は生きられる。
明るい未来がひらける。