春夜姫
ある日、王様はお后様に相談しました。
「后よ、王子たちにどのように国を残せば良かろうか」
三人の王子たちはみな、勤勉で賢く、心優しい仲の良い兄弟です。その中の誰か一人を王とし、他の二人をその臣下としなければならないのは、王様にとってとても心苦しいことでした。
お后様はたいそう頭の良い人でしたので、すぐにひらめいてこう言いました。
「王子たちを旅に出し、この国のためになるものを探し出させれば良いのです。期限を定め、一番良いものを持ち帰った王子を次の王に選びましょう」