春夜姫
 王様は深く頷きました。
「国のためになるもの、か。それは名案だ」

 お后様は微笑み、王様は喜んで息子たちを呼び集めました。

 三人の王子たちは、王様からその話を聞くと早速旅の支度を始めました。

「僕は東へ行くよ」
 上の王子が言いました。

「僕は西へ行こう」
 真ん中の王子はそう言いました。

「兄さんたちがそうなら、僕は北へ行くぞ」
 下の王子が言いました。

 出発の前に、王様はもう一度息子たちを集めました。お后様も一緒です。

「息子たちよ、行く先は決まったかな」
 王様が尋ねると、

「僕は東へ」
 と上の王子が言い、

「僕は西へ」
 と真ん中の王子が言い、

「僕は北へ行きます」
 と下の王子が言いました。
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