― 君 色 星 ―





冬休みだが、俺は年内いっぱいの期間限定で、研究室の教授の手伝いをするアルバイトをしていた。





自分の興味のあることを研究しながら金がもらえるなんて、俺にとっては本当においしいバイトだった。










夕方。





バイトが終わって、すでに薄暗いマンションの4階の廊下を歩いていると、香織の部屋の前に人の影が見えた。





スッと背の高い、茶色っぽいトレンチコートを着た男性。





香織の前の彼氏の翔とは違う、大人の雰囲気を醸し出していた。







「あの……」





俺が自分の部屋の前まで来てドアを開けようとポケットから鍵を取りだした時、その男に話し掛けられた。






< 223 / 328 >

この作品をシェア

pagetop