― 君 色 星 ―





「俺、香織の気持ち考えんと、自分だけ幸せになってもうた。俺だけ幸せになっても、香織の状況は何も変わらへんのにな」






ケン兄ちゃんは、伏し目がちになりながら自分の気持ちを話してくれた。






「香織にシカトされてから気付くなんて、俺ホンマにアホやな」





ケン兄ちゃんは、自分の右手でこぶしを作って、それを軽く自分の頭にコツンとぶつけた。





「俺、ちゃんと最初に香織に紹介しとけば良かったな。…今のカミさん」





…そうかもしれんな。





最初からケン兄ちゃんの恋人の存在が分かっとけば、うちもケン兄ちゃんの妹になれたんやろな…。






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