正夢、誤夢
あれからまだしばらく2次元について熱く語る由紀。すでにクラスの皆にはバレている。うちのクラスメートはみんないい奴ばかり。由紀のオタクがばれた時こそみんな驚きはしたものの、可愛い見た目とは裏腹のその中身の濃さに、むしろ共感を得て(特に地味めな男の子と)より親睦を深めたのはまた別の話。

『…ちょっと!佐奈ちゃん!!また聞いてないの!?
だからね、2次元の住人というのは、我々を裏切らないのだよ。この意味わかる?よって―…』


あの時の恥じらいがあった時の方が、まだかわいらしかったのに。
開き直ったオタクに、怖いものなどないんだな…


と、また一つため息をこぼす佐奈であった。


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