龍馬! ~日本を今一度洗濯いたし候~
しかし、女の子は九つでもおませである。龍馬を好きになった。
まあ、これは「はしか」みたいなものである。年頃の女の子は年上の男性を好きになるものだ。まだ子供であるお美以は母に、
「わたくしは、龍馬おじさまのお嫁様になります」といってあわてさせた。
今、お美以は十代の美少女である。
しかし、龍馬は彼女を子供扱いした。「お美以ちゃんはいつまでも子供の頃のままじゃきにな」といった。
「そんな……」お美以は泣きそうな顔をした。
「龍馬おじさまは、お美以さんに御無礼ではありませんか?!」
それを知って春猪は叔父龍馬に食ってかかった。
龍馬は「子供は子供じゃきに」と笑ったままだ。
そののち龍馬は源おんちゃんにめずらしく怖い顔をして、
「春猪に、人間の娘をおもちゃにしちゅうなといってくれ」といった。
「おもちゃに?」
「いえばわかるきに。わしは忙しいので出掛ける」
龍馬は出掛けた。
春猪は複雑な気持ちでもあった。じつは春猪は龍馬叔父に好意をもっていたのである。 ……初恋……? そうかも知れない。私は龍馬おじさんのお嫁さんになりたい!
しかし、当の龍馬にはそんなことは知らない。