龍馬! ~日本を今一度洗濯いたし候~


  龍馬は藩命で長州にいって久坂玄瑞や高杉晋作とあったことがある。そこで長州藩士の久坂玄瑞や高杉晋作とあっている。三千世界の烏を殺し…高杉の歌である。             
「土佐の吉田東洋、長州の長井雅楽、薩摩の久光は奸俗ぞ!」
 高杉はいった。「斬らねばなるまい!」
 その言葉通り、武市半兵太らは岡田以蔵らをつかって吉田東洋など開国派たちを次々と斬り殺していった。
 その頃、龍馬は勝海舟の館の門で見張りをしていた。
 勝の娘・孝子が「お父様、あの門で毎晩見張りしているお侍さんは誰です?」ときく。 勝海舟は笑って「あいつは龍さんよ。俺を守っている気なんだろう」
  龍馬はいまでも勝海舟に初対面したことを忘れない。
 千葉重太郎とともに勝の屋敷を訪ねて斬り殺す気でいた。
「相手は開国派……このわしが斬る!」千葉はいった。
 しかし口開一番、勝は度肝を抜かせた。勝は地球儀をみせて「これなんだかわかるけい?」ときいた。千葉重太郎と龍馬は目が点になった。「ここが日本だ」ちっぽけな国だった。「世の中にはいろいろな国があるぜ。メリケン、プロシア、清国、インド、アフリカ、イギリス…イギリスなんざ超大国といわれてるがみろ! こんなちっぽけな島国だ。しかし世界に冠たる大英帝国を築いている……なぜだと思う?」
 龍馬は興奮して「船……船ぜよ!」
「そうだ…軍艦だ! 日本は鎖国でも壤夷でもない。…第三の道…すなわちすみやかに開国して貿易によって儲けて軍艦を備えるこった。佐幕なんざ馬鹿らしいぜ! そのための開国だぜ」
「勝先生! わしば弟子にしてくれませんきにか?!」
 千葉重太郎は呆気にとられたままだったが、龍馬は真剣だった。
「龍さんとやら……あんた面白いやさだね?」                   

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