龍馬! ~日本を今一度洗濯いたし候~
龍馬はうちわで争っているときじゃないと思っていた。このままでは勝先生のいうように日本は外国の植民地になってしまう。龍馬は薩摩と長州をなかよくさせようと走った。京、土佐、江戸、九州……
出会った人物は、土佐藩北添、薩摩藩西郷吉之助(隆盛)、熊本藩横井小楠、小松帯刀、紀州藩伊達小次郎、福井藩三岡八郎(由利公正)、越中守大久保一翁……
そして、師匠・勝海舟(麟太郎)。勝こそが維新のための頭脳であった。
長州藩ら尊皇壤夷派が七卿を奉じて京都を去った今、家茂の上洛は必然のものとなった。役目は、朝廷を警護し、大阪城にとどまって摂海を防衛することである。
麟太郎は、九月二日、順動丸で品川沖から大阪へ向かった。
老中坂井雅楽頭、大目付渡辺肥後守らが同船している。
麟太郎は坂井に説く。
「ご上洛にうえは、ただ事変のご質問をなされるばかりにて、鎖港の儀につき、公卿衆に問われようとも、何事もお取りつくろうことなく、ご誠実にご返答なさるのが肝要と存じまする」
老中がその場しのぎの馬鹿なことをいってもらっちゃ困るのだ。
八日に紀州和歌山沖を通り、大阪天保山沖に到着したのは九日である。
麟太郎は、順動丸に乗り込む塾生の坂本龍馬や沢村たちを褒めてやった。
「おぬしどもは、だいぶ船に慣れたようだな。あれだけ揺れても酔わねぇとはたいしたもんでい」