龍馬! ~日本を今一度洗濯いたし候~
慶応二(一八六六)年、幕府は長州征伐のため、大軍を率いて江戸から発した。
それに対応したのが、高杉晋作だった。
「三千世界の烏を殺し、お主と一晩寝てみたい」
高杉晋作は、文久三年に「奇兵隊」を長州の地で立ち上げていた。それは身分をとわず商人でも百姓でもとりたてて訓練し、近代的な軍隊としていた。高杉晋作軍は六〇人、百人……と増えいった。武器は新選組のような剣ではなく、より近代的な銃や大砲である。 朝市隊(商人)、遊撃隊(猟師)、力士隊(力士)、選鋭隊(大工)、神威隊(神主)など隊ができた。総勢二百人。そこで、高杉は久坂の死を知る。
「幕府を倒せ!」高杉晋作は激怒した。
幕府は長州征伐のため、十五万の大軍を率いて侵攻してきた。ここにいたって長州・は戦わずにして降伏、藩の老中が切腹することとなった。さらに長州藩の保守派は「倒幕勢力」を殺戮していく。高杉晋作も狙われた。
「このまま保守派や幕府をのさばらせていては日本は危ない」
その夜、「奇兵隊」に決起をうながした。
……真があるなら今月今宵、年明けでは遅すぎる……
「奇兵隊」決起! その中には若き伊藤博文の姿もあったという。高杉はいう。
「これより、長州男児の意地をみせん!」
こうして「奇兵隊」が決起して、最新兵器を駆使した戦いと高杉の軍略により、長州藩の保守派を駆逐、幕府軍十万を、「奇兵隊」三千五百人だけで、わずか二ケ月でやぶってしまう。
(高杉晋作は維新前夜の慶応三年に病死している。享年二十九)
その「奇兵隊」の勝利によって、武士の時代のおわり、が見えきた。