初雪の日の愛しい人[短編]
「あ、雪、降ってる」

 彼がカーテンを開けて言った。

「うん、知ってる」

 あたしは小さく笑った。

「…なーユキ」

「なに?」

「ごめんな」

「――…」


 ――それは、初雪が降った日。
 
 ミシェルがあいにきてくれたという奇跡と、あいつが初めてあたしに謝った奇跡と。
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