現実アクションゲーム
曲がる度に、心臓が鳴る。


もし行き止まりだったらと思うと、気が気ではない。


撒くのが先か、行き止まりが先か……


幸運なことに、二葉の行った道には行き止まりはなかった。


振り返ると、すでにガイコツの姿はなかった。


どうやら、勝ったようだ。


「……」


だが、まだ油断はできない。


近くに、まだ必ずいるはずだ。


さっき、突然背後を取られた。音はなかった。


つまり、ある程度気配を消せると言うことだ。


キョロキョロと辺りを確認する二人。


乱れる息を精一杯殺しながら、再びゆっくりと歩き出した。


頭上を見ると、残り時間は7分を切っていた。焦りを感じる蓮。


こんな状況では、適当に進めない。


かと言って、当たりの道もわからない。


そのとき、第二の絶望を目の当たりにした。


「嘘だろ……」


先に見えたのは、スタート地点だった。戻ってきた……


全身から力が抜け、ヒザをつく蓮。


今何が起こっているかわからず、頭を両手で覆った。


もう無理……5分も経ったのに、まだスタート地点。


叫びたい。だが、ガイコツに気づかれる……


「行こう、蓮君」


その言葉に、蓮は二葉を見た。二葉の目は、まだ諦めていなかった。


俺は、何をやってるんだ。女の子に、勇気をもらってばっかで……


体が熱い。自分に、とてつもなく腹が立った。


蓮は立ち上がると、早歩きで別の道に入った。二葉も、それに続く。
< 111 / 132 >

この作品をシェア

pagetop