現実アクションゲーム
「ちょっと待って!二葉ちゃん」


渚が蓮を制すると、二葉を抱き起こした。息がある。死んでいない。HPも、50のままだ。


「え?」


どういうことだ?地雷を踏んだ奴らは、一発即死だった……


「とにかく、よかった……」


蓮が二葉に手を差し伸べる。


二葉は蓮の手につかまると、体を起こした。


「大丈夫か、二葉?」


「ありがとう、蓮君」


本当に大丈夫そうだ。よかった……


「何だったんだ、今のは……」


直樹が呟く。


「それより、もう本当に地雷はねぇんだな、守?」


蓮が睨んで聞く。


「う、うん。多分……」


守が自信なく答える。


「多分って、お前……」


「しょうがないでしょ、僕が作ったゲームじゃないんだから!」


さすがの守も、反発した。地雷地帯を抜けれたのは、守のおかげだ。それでこの仕打ちは、イラッと来て当然だろう。


「それより、二葉ちゃんが踏んだ地雷……何か、緑色の煙が出たね」


渚が言った。確かに、二葉の踏んだ地雷は違った種類だった。


他の地雷は爆発すると薄茶色の煙が少し出たのに、それが緑色だった。それに、何だか鈍い音がした。


「まぁ、何もねぇなら、よかった。行こう」


直樹の言葉と同時に、歩き出す一同。


また、爆発するかもしれない……そう思うと全員が、地面を警戒しながら進んだ。


二葉が無事だった……緑色の煙の地雷なら、安全。


このとき、全員がそう思った。このときは……
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