現実アクションゲーム
「じゃあ、直樹君。一歩、後ろへ」


「おう」


「次、蓮君。斜めに一歩」


「了解」


恐る恐るで緊張しつつではあるが、次々に歩いていく一同。


あっという間に、地雷地帯を抜けた。そのとき、渚が声を上げた。


「守……私にも、指示しなさいよ」


その言葉に、蓮は微笑んで二葉に言った。


「……な?」


二葉も、蓮に頷いて微笑みを返す。


「じゃあ、渚さん。一歩、右へ」


怖がりながらしぶしぶ動く渚。


全員が地雷地帯を抜けると、いっせいにその場に座り込んだ。


「なんとか、助かったな……」


直樹が笑顔で言う。全員、ボーッと空を見上げた。


「ここってさ……日、沈まないんだね」


守が呟く。太陽は動いていないので、日は沈まないだろう。


しばらくすると、二葉が立ち上がった。


「そろそろ、行こ。進まないと、終わらないよ」


と、二葉が一歩踏み出した、そのときだった。


バン!


鈍い爆発音と共に、二葉が宙を舞った。


「二葉!」


驚き、蓮が立ち上がって叫ぶ。


二葉はドサッと地面に倒れると、ゲホゲホと咳き込んだ。


「この野郎!」


怒り狂い、守の胸ぐらをつかみ上げる蓮。


「どういうことだよ!計算ミスはねぇって言っただろうが!」


「そんな、バカな……」


守が両手を振り、怯えながら蓮に待ったの合図をする。
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